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特集にあたって 日本では機動力のある電車・気動車が旅客輸送の主力となって久しい。最近では寝台特急など一部の夜行列車や臨時列車を除いて、機関車がひく客車列車は見ることができなくなってしまった。一方、貨物列車については大出力の高性能機関車が次々に誕生し、長大編成のコンテナ列車の先頭に立つ勇姿にふれる機会も増えた。旅客は電車・気動車、貨物は大型機関車で、というのが日本の鉄道の現状である。その反動か蒸気機関車や旧型電気機関車が走れば、以前にも増して人気が集まるようになった。驀進する機関車の力強い姿は高速・大量を旨とする鉄道輸送の象徴でもあったが、旅客のニーズに応じて高速かつ軽快の体制を整えるには編成単位で運用の容易な電車・気動車が適している。国際列車の関係などで機関車牽引列車が主流だったヨーロッパでも、最近の高速列車は電車タイプの固定編成が増えた。貨物については列車単位を大きくするほうがコスト的に有利なため、機関車の大型化はさらに進む。入換機の用途は減少して、車種は単純化の方向に向かうだろう。 |
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