年鑑「日本の鉄道」の発行とりやめについて。

 本誌別冊として毎年春先に発行してきましたが、2008年版以降の年鑑は発行をとりやめることとしました。
 ※鉄道ジャーナル3月号編集後記において触れた事柄ですが、お問い合わせを多くいただきますので、ここに再掲致します。ご了承くださいますよう、お願い致します。

 年鑑「日本の鉄道」は1984年に年1回発行の別冊としてスタートし、以来、昨年4月発行の2007年版まで24年間にわたって継続してきました。当時からの主要な内容は、年間の出来事を月ごとにまとめた「年誌」と新型車両を中心とした毎年の実績紹介、および統計資料でした。当初は内容的に国鉄関係が多くを占めており、その経営全般から輸送・車両・施設・技術などの専門分野に至る項目を建て、それぞれ担当部署に依頼したうえで毎年の概況や展望等を掲載してきました。ちょうど国鉄の経営再建から分割民営に至る時期であり、そうした動きを大きく整理するためには年1回発行のペースは都合がよかったのか、また国鉄問題に広く関心が集まっていたためか、この時期の年鑑は多くの方から好評をいただいてきました。

 年鑑の発行とりやめの理由は直接には発行部数の減少で、最近の実績は好調だった1980年代と比較すると半分にも届かない状況です。また、国鉄の分割民営の結果、時間が経過するにつれ、鉄道網を全体として捉えることが難しくなってきたことも、背景として挙げられます。改めて24年にわたった年鑑の各号を振り返ると、鉄道を取り巻く情勢の移り変わりがうかがえます。JR発足まもない1990年代はJR各社の新しいサービスや技術面での進歩など興味深い出来事が相次いで関心を呼びましたが、21世紀となってからは、地域ごと、鉄道会社ごとに個別の出来事や話題が増え、全国的な広がりにつながるようなテーマは限られてきています。編集部としては、月刊誌と並行して別冊としてはボリュームのある年鑑を製作することは当初から厳しい面がありましたが、数年前からは半ば専任のスタッフを置くことで企画・編集面を強化し、一方で製作コストの面でも内製化を図るなど、工夫を重ねてきました。そういった点でも、発行部数漸減の影響は小さくありません。

 「年鑑はちょっとした調べものに便利」という有り難い評価もいただいているうえ、長年にわたりご活用いただいている方には申訳なく存じますが、発行中止に至る事情についてご理解を賜りますようお願い致します。
 なお、年鑑に毎年掲載してきました記事の一部は、鉄道ジャーナル本誌において随時掲載する予定にしています。

コメントは受け付けていません。