●特集にあたって● 2001年10月ダイヤ改正で東海道新幹線「のぞみ」の毎時2本運転が実現し、利便性が高まった。また、携帯電話からの予約や変更が発車直前まで可能になり、都合にあわせて柔軟に使えるようになったことは大きな進歩であろう。東海道新幹線では十数分程度でも速い「のぞみ」に人気が集まり、しばらく停滞気味であった輸送量が増加に転じるなどスピードアップの効果が現われている。膨大な需要とビジネス路線の性格からは効率が優先されるのはやむをえない面もあり「いつでも利用できる」ことは競争上からも大きな強みといえるだろう。一方の山陽新幹線ではスピードでの競争は限度があり、1列4人がけとして居住性を高めた「ひかりRailStar」が好評で、東京直通の「のぞみ」と山陽区間内の「ひかりRailStar」が交互に走るパターンになっている。路線の特性や旅客のニーズが多様化しており、一方で乗車時間は短くなって、込み合った車内を動き回ることは逆に負担に感じられるかもしれない。「鉄道離れ」と表裏一体に、サービスの単純化が今後も進んでゆくことになるのだろうか。 |
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